御挨拶

ようこそのお運び、まことに有り難うございます。
この数年来、週末は文京区千駄木界隈を逍遥して、遠い昔に読んだ漱石の著作を再びひも解くという機会に恵まれました。本郷台を中心に生活していた若き漱石の謎に包まれた足跡を追い求めていくうちに、浮かんできたいくつかの考えをまとめて世に問う事もでき、有り難く感謝しております。
私自身は、理系の研究者として大学卒業以来過ごしてまいりました。高校時代に少しの小説を読んだ程度で、文学的な素養と呼べる程のものは持ち合わせるはずもありません。この数十年の間はコンピュータ計算・実験・製作などに明け暮れた毎日でした。
そんなわけで、漱石についての正統的なアプローチからは縁遠い内容となりましたが、漱石の秘められた足跡については、一味違う謎解きに基づいたシナリオを提示できたのではないかと自負しております。
誤字等をはじめ至らぬ点も目につきますが、御批評・御感想をいただけたら、幸いです。

2008年4月  加藤湖山
e-mail: kozan27ho@gmail.com


ホームタイトル背景写真は、池のくるみから眺めた霧ケ峰(車山)。八ケ岳を背景とする諏訪湖です(K. F氏撮影)。

2008年4月以来、本書の周辺には思わぬ出来事が起きてしまいました。その件に関しては、適当な時期を選んでご報告の予定と致します。(2008年4月17日 記)